レビュー
レビュー
star3.5
【4次元映像美を体感する映画】 過去や未来を行き来する4次元の描写に、細田守監督ならではの映像美が凝縮されて、見たことも無い映像体験。さらに普遍の家族愛が映画の芯をしっかり形作っている。 ◆ 『サマーウォーズ』の細田守監督最新作。声の出演に上白石萌歌、黒木華、星野源、役所広司、福山雅治も。OPとEDテーマは山下達郎が担当し『サマーウォーズ』以来の監督とのタッグ。88の国と地域での配給が決定(2018年5月現在)している。 ◆ 妹が生まれたばかりの甘えん坊の“くんちゃん”は、自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、“ミライちゃん”と出会い、時をこえた家族の物語へと旅立つ事に。さまざまな冒険を経て、成長を遂げながら“くんちゃん”が最後にたどり着いた場所とは?“ミライちゃん”がやってきた本当の理由とは― ◆ 家族愛と、少年の成長が微笑ましいほっこり映画。細田守ワールドの映像美ももちろん健在。夏休みに家族で見る映画として最適だと思う。 家族あるあるが満載で、親近感がわく。隙があれば部屋を散らかしたり、妹に嫉妬してしまうくんちゃん。思わず怒ってしまうお母さん。家事でドジを連発してしまうお父さん。そのどれもが、どこの家族にでもありそうな、自らの環境に置き換えて見れる人は多いと思う。 主人公のくんちゃんはもちろん、その家族たちも映画を通して穏やかに成長していく様がとても微笑ましい。おもちゃで妹に殴りかかってしまうくんちゃんが、ものを与えるようになる変化も可愛かったし、小言を言い合っていた夫婦がお互いを褒めるシーンも素敵だった。 そしてなんと言っても、細田守監督らしい映像美。誰も見たことがない映像を具現化する事に長けているとつくづく思う。大群のメダカ(?)や、時間のインデックスを探すラスト含め、この映画のキーである、過去や未来へのタイムスリップシーンにそれが多用されていて、都度グッと映画に引き込まれる感覚だった。 ただ… 何というか、小さくまとまった感がある気がする。細田監督の過去作から考えると、あとタイムスリップするという、いくらでも自由に映像を創り出せる設定からすると、期待する映像美はもっともっと欲しかったし、話の壮大さは期待したほどでは…。 ストーリーはぶっ飛んでてもいいので、監督に自由に映像を作り込んでもらえる、キレッキレな次回作を期待したい。
100