レビュー
レビュー
star4.0
マーベル・スタジオズ製作、ウォルト・ディズニー・スタジオ配給、ジョス・ウィードン監督・脚本によって製作された2012年のアメリカ映画。 人知を超えた悪によってひそかに進められる地球壊滅の陰謀。それを食い止めるべく、大富豪で天才発明家アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)、神々の国から地球ヘと追放された雷神ソー(クリス・ヘムズワース)、感情の爆発によって容姿を激変させる科学者ハルク(マーク・ラファロ)などを集めた部隊アベンジャーズが結成される。しかし、各々が抱えているつらい過去や苦悩が浮き上がっては衝突し合うようになり、人類史上最大の危機に立ち向かうチームとしての機能が消失しかけていた。 この映画を楽しみにしていた人は多いだろう。マーベル・コミック好きにはたまらないヒーロー大集合映画、こんなの世界中の男子の夢の結晶だ。なんせ、この映画までの前振りが長かった。「アイアンマン」、「インクレディブル・ハルク」、「アイアンマン2」、「マイティ・ソー」、「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」といった作品が全てこの作品につながっている。それぞれが単独でもアメコミ映画として充分面白いのに、その主人公たちが集結するなんて贅沢にもほどがある。 そんな個性的なヒーローたちをまとめ上げるのは、「トイ・ストーリー」の脚本やコミックの原作なんかも手掛けているジョス・ウィードン。史上最速で世界興行収入10億ドルを突破したのは、ジョス・ウィードン監督の力も大きかったと思う。違う監督が製作した作品群、それぞれの主演俳優をまとめ上げるというのは、かなり難しい作業だったと思う。個々のスーパーヒーローの持ち味を発揮しつつ、アベンジャーズというスーパーヒーローチームを魅力的に描いていた。観客が期待していたものを用意してくれたと言っていいだろう。 相変わらずの俺様ぶりを見せてくれるアイアンマンことトニー・スターク役のロバート・ダウニー・Jr。性格悪いのにやたらと魅力的。これはロバート・ダウニー・Jrの功績だね。真面目な初代スーパーヒーローのキャプテン・アメリカ役のクリス・エヴァンス。一番個性がないヒーローだけど、このキャラクターが暴走するアベンジャーズの要だから重要。クリス・エヴァンスの愚直なまでの真面目っぷりはヒーローの鏡。一人だけ神様というインチキキャラのマイティ・ソー役のクリス・ヘムズワース。神様だけどマッチョさばかり目立つ力押しのキャラだけに、クリス・ヘムズワースのムキムキ加減はハマっていた。 ハルク役のマーク・ラファロ。エドワード・ノートンが降板したのは残念だったけど、この作品で最も演技で魅せていたのはマーク・ラファロだった。内なる凶暴性と向き合うブルース・バナーの心情を完璧に演じていた。マーク・ラファロのハルクの方がハルク像として完璧だと思う。ハルクの声を、ハルクが映像化した頃にハルクを演じていたルー・フェリグノが担当しているのはファンも喜ぶだろう。ホークアイ役のジェレミー・レナーとブラック・ウィドウ役のスカーレット・ヨハンソンも欠かせない役柄だったし、魅力的に描かれていた。 ほとんどの作品に登場するサミュエル・L・ジャクソンの存在は偉大だが、この作品のキーマンでもあるフィル・コールソン役のクラーク・グレッグはなかなか渋い演技を見せてくれていた。こう並べて書くとものすごい豪華な顔ぶれだ。それぞれの作品の主演俳優が勢ぞろいなんだから当たり前だが、これだけのスーパーヒーローが力を合わせる姿を観るだけで、なんだか楽しくてしょうがない。強いて苦言を言うなら、悪役が物足りなかった。トム・ヒドルストン演じるロキは悪役としてパンチがないし、巨大な怪物も敵として魅力的とは言えない。スーパーヒーローに並ぶぐらいの個性的な敵役が登場したら、「アベンジャーズ」は無敵の映画になるだろう。 もはやドル箱シリーズとなっただけに、このまま終わるわけにはいかない。個々の作品も続編が決定していて、アベンジャーズも続編が製作される見通しだ。今回はアベンジャーズの襲名披露公演といった感じの内容だったので、スーパーヒーローたちが個々の作品で魅力を増して、再び集い、手に汗握る戦いを見せてくれるのを楽しみにしている。
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